小児漢方のエース、小建中湯(ショウケンチュウトウ)とは?効果や生薬を紹介します
小さい子供でも飲める漢方があるのは知っていますか?
今回は小児漢方で有名な、小建中湯について書いていきます。ぜひ知識として読んでみて下さいね。
小建中湯は小児漢方のエース
小建中湯は子供も飲める漢方で大変有名な漢方で、生後3ヶ月から服用で様々な効果を発揮するので、小児漢方のエース的存在です。
主な効果は「胃腸の調子を良くして、体を丈夫にする」です。
胃腸が弱く疲れやすい、虚弱な子供の体質改善に効果を発揮します。また手足のほてりや頻尿、多尿などにも作用します。
小建中湯の効果をまとめると
- 胃腸病
- 下痢、便秘
- 疲労倦怠
- 神経質性胃炎
- 夜尿症
- 夜泣き
- 貧血症
これらに効果があります。
西洋医学では体質改善はなかなか難しいですが、漢方なら体質から胃腸が弱い、風邪をひきやすいなどの虚弱体質を改善・治療が可能です。
腹直筋が緊張しているときにこれらの症状が起こると考えられ、この腹直筋の緩和効果があります。
大人でもよく処方され、胃腸が弱い、神経質、さらに過敏性腸症候群などの方に処方されます。
小建中湯に配合されている生薬から効果を見てみる
ここでは小建中湯に配合されている生薬を見てきましょう。
さらに生薬がどのように効果を発揮するのかについても書いていきます。
①桂皮(けいひ)
クスノキ科トンキンニッケイやその他動植物の、樹皮を乾燥したもので、停滞しているものを動かして発散する効果で、中国で古くから色々な漢方に使用されてきました。
発汗、解熱、鎮痛、整腸、収斂など体のあらゆる不調に効果を発揮します。
②芍薬(しゃくやく)
ボタン科シャクヤクの根を乾燥したもので、奈良県や北海道、長野県にでもわずかですが、栽培されています。
筋肉の痙攣を緩和して、血管の動きを順調にする効果があり、鎮痛、鎮痙、緩和作用にすぐれています。
女性の味方の生薬といわれていて、月経不順や月経異常、更年期障害など、女性のトラブルに関連のある漢方によく配合されています。
③生姜(しょうきょう)
ショウガ科ショウガの根茎を乾燥させたもので、体を温めて新陳代謝機能を高める作用があります。
食欲増進、発汗作用にすぐれ軟骨を破壊する酵素の生成を抑制する効果も認められています。
夜尿症や胃の中の停水を改善する効果があります。
④大棗(たいそう)
クロウメモドキ科ナツメの果実を乾燥したもので、体を温めて緊張を緩和させる作用があります。
下痢で傷ついた消化管を修復したり、腸の動きを適切に保ち腹痛を緩和させます。
強壮、利尿に作用に優れていて、感冒による下痢や、腹部の膨満感に効果があります。
⑤甘草(かんぞう)
マメ科カンゾウ属植物の根や根茎を乾燥したものです。緊張を緩和させ緊迫症状を緩和します。鎮痛、鎮痙、鎮咳に効果があります。
⑥膠飴(こうい)
デンプンやイネ科のイネの種子を糖化したもので、滋養や緩和効果があります。
体力や気力を補い回復して、新陳代謝を盛んにします。
→これらの生薬が、穏やかな発汗や、体を温める桂皮や、痛みを和らげる芍薬、さらに体をあっためる生姜が胃腸のトラブルを改善します。
また甘草が含まれているので、筋肉の緊張状態をとき、膠飴で栄養分の補給をします。
これが小建中湯の効果になります。
小建中湯の服用方法は?
小建中湯は子供が服用する場合は7.5gを2~3回に分けて、成人が服用する場合は15gを2~3回に分割して食前または食間に服用します。
服用する量は、その月齢(年齢)、体重、症状によって様々なので、必ず医師の指示に従って服用することが大切です。
特に子供が服用する場合、量にかなりの差があるので注意が必要です。
小建中湯の気になる副作用は?
ここでは小建中湯の副作用について見ていきます。
小建中湯は子供でも服用できる漢方薬なので、安心して飲むことができますが、副作用も報告されています。
①偽アルドステロン症
甘草を含んでいるので、だるい、血圧上昇、むくみ、体重増加、しびれ、痛み、震える、力が入らないなどの症状がでたら服用を中止してすぐ病院を受診しましょう。
偽アルドステロン症に伴う低カリウム血症という副作用もあります。
しかし、この副作用がおこるは本当に稀で滅多にありません。しかし、念のため注意はしておきましょう。
②胃の不快感
漢方を服用しているときに、胃の不快感や食欲不振、軽い吐き気が報告されています。このうな症状を感じたら医師や薬剤師に相談します。
③皮膚トラブル
発疹、発赤、かゆみのトラブルも報告されています。
これらが起こったら、服用を中止して、医師や薬剤師に相談しましょう。
まとめ
今回は小児でも飲める小建中湯について見てきました。
子供の夜尿症や、虚弱体質を改善するのに効果のある漢方だということがわかりましたね。
生後3ヶ月以降なら安心して飲むことが出来ます。
ぜひ処方された場合は、不安にならず、医師の指示に従ってしっかり服用しましょう。