清暑益気湯は夏バテや疲労に効果的!漢方薬の副作用と注意点
清暑益気湯(セイショエッキトウ)は、夏バテや暑さによる食欲不振などに効果的な漢方薬です。
漢方医学では、「気・血・水」の3つの要素が体内をうまく巡ることにより、健康が維持され様々な症状が緩和できると考えられています。
今回は、清暑益気湯(セイショエッキトウ)の効果・効能と副作用・注意点について紹介していきます。
清暑益気湯の効果・効能
清暑益気湯は、夏バテ、暑気あたりに用いられる代表的な漢方薬で、暑さによる食欲不振、疲労、下痢、全身倦怠感、夏やせなどに効果があります。
特に、夏などの暑い時期は疲労が溜まりやすく、エネルギー不足、疲労物質の蓄積、脱水症状、自律神経の失調など引き起こすことがあります。
そんなときに清暑益気湯は効果的で、疲労回復の漢方薬とも言われているほどです。
清暑益気湯の配合成分(生薬)
清暑益気湯は、草や木などからなる生薬が組み合わさり作られた漢方薬です。
配合されている生薬は以下の9種類です。
- 蒼朮(ソウジュツ)
- 人参(ニンジン)
- 麦門冬(バクモンドウ)
- 黄耆(オウギ)
- 陳皮(チンピ)
- 当帰(トウキ)
- 黄柏(オウバク)
- 甘草(カンゾウ)
- 五味子(ゴミシ)
これらの生薬がバランスよく配合され清暑益気湯の効果・効能を得ることができます。
これら生薬1つ1つにも、効果・効能があります。
蒼朮(ソウジュツ)
蒼朮は、キク科ホソバオケラの根茎を乾燥したものです。
主な効能は、健胃整腸、利尿、発汗などがあり、腎機能の減退、胃腸炎、胃下垂症、下痢、小便不利、四肢冷痛、身体疼痛、妊娠浮腫、貧血症などに効果があります。
人参(ニンジン)
人参は、ウコギ科チョウセンニンジンの根を乾燥したものです。
主な効能は、健胃整腸、鎮痛、去痰、駆風などがあり、口内炎、慢性胃腸炎、消化不良、下痢、軟便、発熱、悪寒などに効果があります。
麦門冬(バクモンドウ)
麦門冬は、ユリ科のジャノヒゲの根の膨大部を乾燥したものです。
主な効能は、止咳、補陰、去痰などがあり、せき、口の渇き、便秘などに効果があります。
黄耆(オウギ)
黄耆は、マメ科のナイモウオウギまたはキバナオウギの根を乾燥したものです。
主な効能は、強壮、止汗、利水、排膿などがあり、胃腸系を強めて気を補い、体全体の強壮をはかる効果が期待できます。
陳皮(チンピ)
陳皮は、ミカン科ウンシュウミカンの果皮を乾燥したものです。
主な効能は、芳香性健胃、駆風、鎮吐、鎮咳などがあり、咳嗽、肩こり、消化不良、胃酸過多症、悪心嘔吐、下痢、風邪、冷え性、神経痛などに効果があります。
当帰(トウキ)
当帰は、セリ科トウキ属植物の根を乾燥したものです。
主な効能は、鎮痛、鎮静、強壮などがあり、肩こり、腹痛、腰痛、月経痛、月経困難、月経不順、冷え性、身体疼痛、婦人の更年期障害、貧血症などに効果があります。
黄柏(オウバク)
黄柏は、ミカン科のキハダまたはシナキハダの樹皮を乾燥したものです。
主な効能は、消炎、健胃、清熱、解毒などがあり、下痢、腹痛、黄疸、湿疹、腫れ物などに効果があります。
甘草(カンゾウ)
甘草は、マメ科のウラルカンゾウやスペインカンゾウの根などを乾燥したものです。
主な効能は、健胃、鎮痛、鎮痙、去痰などがあり、腹痛、下痢、動悸、腫れ物などに効果があります。
五味子(ゴミシ)
五味子は、マツブサ科のチョウセンゴミシの果実を乾燥したものです。
主な効能は、止咳、止渇、止瀉、滋養、固精などがあり、せき、喘息、口渇、下痢、疲労などに効果があります。
清暑益気湯の副作用
清暑益気湯は漢方薬なので、使用方法や摂取量により副作用が現れることがあります。
発現頻度は不明はありますが、発疹、蕁麻疹などの過敏症や、食欲不振、胃部不快感、悪心、下痢などの消化器系の副作用が確認されています。
万が一これらの症状が現れたら、医師や薬剤師に相談するようにして下さい。
清暑益気湯の使用方法と注意点
清暑益気湯は、通常、成人1日2~3回に分割し、食前又は食間に服用します。
しかし、漢方薬は、年齢、体重、症状により適宜増減するので、医師や薬剤師から説明があった場合は、指示に従い服用するようにして下さい。
体内への摂取量が多くなると副作用を引き起こす可能性がありますので注意するようにして下さい。
また、高齢者や妊娠中の方、小児などへ使用する際は、医師に確認の上、使用するようにして下さい。
まとめ
いかがでしたか?
今回は、清暑益気湯(セイショエッキトウ)の効果・効能と副作用・注意点について紹介してきました。
清暑益気湯は、夏バテや疲労に効果的な漢方薬です。
夏場の暑い時期に飲み続けることで、体の内側から夏に強い体作りをすることができます。
清暑益気湯は、夏に自信がない方、毎年夏になると疲れてしまう方におすすめできる漢方薬です。