回虫駆除に椒梅湯!効果や配合されている12の生薬をチェック
椒梅湯という漢方はあまり馴染みがありませんが、煎じて飲むタイプの漢方です。
では一体どような効果があるのでしょうか?
今回は椒梅湯について詳しく書いていきます。
椒梅湯(ショウバイトウ)とは?
椒梅湯は「回虫」駆除に使用される漢方です。
「回虫」というのは、人や家畜の症状に寄生する害虫のことを言い、生の野菜から卵の状態で体に入って、体内で孵化します。
回虫が体内に入り孵化すると、摂取した栄養分を奪われたり、毒素を分泌して体に様々な不良を引き起こします。
さらに一番怖いのは、回虫が他の組織や器官に侵入すると、回虫の頭は鋭くとがっているため、臓器などを突き破り破壊を引き起こします。
また、腸閉塞や脳に侵入するとてんかんのような発作が起こることもあります。
回虫と聞いてもいまいちピンとこない方も多いと思いますが、回虫の他に例を挙げるなら「ぎょう虫検査」があります。
肛門に特製のフィルムをあて、寄生虫の卵を探す検査ですが受けたことがあるかも多いのではないでしょうか?
実はこのぎょう虫検査は、日本の環境は整備が徹底されているため2015年から廃止になりました。
しかし、オーガニック食がブームや輸入食材などで、まだ回虫やぎょう虫に感染する可能性はあります。
その回虫に感染したときに効果を発揮するのが、この椒梅湯のなのです。
椒梅湯に配合されている生薬とは?
椒梅湯に配合されている12の生薬とその効果について見ていきます。
①烏梅(うばい)
バラ科ウメの未成熟な果実を燻製にしたもので、回虫による腹痛や下痢に効果発揮します。
②山椒(さんしょう)
ミカン科サンショウの果皮を乾燥したもので、止痛、駆虫効能に優れ、回虫やぎょう虫駆除に使用され、嘔吐や下痢、腹痛を改善します。
③枳実(きじつ)
ミカン科ダイダイまたはナツミカンなどの未熟の果実を乾燥したものです。
成熟直前のものは、枳殻と呼ばれて区別されています。
胸腹部のつかえや腹痛、便秘などに効果を発揮します。
④木香(もっこう)
キク科モッコウの根を乾燥させたもので、止痛、健胃効能があり、嘔吐や、下痢、下腹部痛の改善に使用されています。
⑤縮砂(しゅくしゃ)
ショウガ科のAmomum xanthioidesの種子の塊を乾燥したものです。
安胎、健胃、などの効能で、食欲不振や下痢に効果を発揮します。
⑥桂皮(けいひ)
クスノキ科ケイの樹皮を乾燥したもので、止痛、発汗効能があり、腹痛や、下痢、のぼせ、手足の冷えの改善に使用されます。
⑦厚朴(こうぼく)
モクレン科ホオノキなどの樹皮を乾燥したもので、去痰、整腸効能があり、消化不や喘息、咳に使用されます。
⑧甘草(かんぞう)
マメ科ウラルカンゾウやスペインカンゾウの根を乾燥したもので、鎮痛、鎮痙、去痰効果があり、腹痛、下痢、動機の改善に使用されます。
漢方のほとんどに含まれている成分で、他の薬物の効能を高める効果もあります。
⑨乾姜(かんきょう)
ショウガ科ショウガの根茎を湯通しして、蒸して乾燥したものです。温熱、健胃効能があり、腹痛や下痢に使用されます。
体の血流を良くするので、冷え性改善効果があります。
⑩檳榔樹(びんろうじ)
ヤシ科ビンロウ種子を乾燥させたもので、収斂・健胃、駆虫効能があり、寄生虫の駆除や嘔吐、便秘、吐き気に効果があります。
⑪川湅子(せんれんし)
センダン科トウセン団の果実を乾燥したもので、駆虫、止痛、お腹が張ったような痛みに、回虫による腹痛に効果を発揮します。
⑫香附子(こうぶし)
カヤツリグサ科ハマスゲの根茎を乾燥したもので、気の巡りを改善する効果があります。腹痛や月経痛によく使用されます。
椒梅湯の使用方法は?
椒梅湯はその方に合わせて処方される量を「煎じて」服用します。
必ず医師の指示に従って、間違いのないよう正しく服用しましょう。
椒梅湯の副作用を確認
椒梅湯には副作用に心配はあまりありませんが、人によっては
- 吐き気
- 腹痛
- 下痢
などのの症状が現れることがあります。
もし服用していて、少しでもおかしいなと思ったら服用を中止、処方された病院で医師の診察を受けましょう。
まとめ
今回は椒梅湯について紹介しました。
日本ではあまり心配されていない、回虫でもいつどこで卵を食べてしまうかはわかりません。
もし感染し、椒梅湯が処方されたときは、医師の指示に従って正しく服用してくださいね。