女性のための漢方、乙字湯(オツジトウ)効能と副作用を知る
乙字湯は女性が悩みがちな症状に効果的な漢方薬です。冷え性や便秘は私たちの生活に支障を来たし、ストレスの原因となります。漢方薬で総合的に、体の不調を解消していきましょう。
乙字湯の効能
乙字湯は痔の治療薬としても使われ、便通に悩みを抱えている人に効果的な漢方薬です。便秘や痔の原因となる体内環境に働きがけるため、便の悩みに根本的に働きがけます。
冷え性の原因となる血行不良にも効果的なので、冷え性に悩んでいる人にも使っていきやすいでしょう。
乙字湯の副作用
乙字湯にはほとんど副作用がないですが、まれに副作用が出る人もいます。実際に起こる可能性があることを紹介していくので、漢方薬の使用でこれら症状が起きたらすぐに使用を中止し、場合によっては医師にかかりましょう。
重度の倦怠感
手足に力が入らず体が重いといった症状が起きたら、副作用の疑いがあります。しびれや筋肉がピクピクするといった症状も起こるため、体の動きに不自然な点があったら服用をやめてください。
むくみと体重の増加
むくみと体重の増加も漢方薬の副作用として起こります。皮膚が普段よりも盛り上がるといったことがあったら、すぐに乙字湯の使用をやめてください。
発熱や血圧の上昇
理由がないのに発熱や血圧の上昇があったら、副作用の疑いがあります。急激に体温の上昇がみられ、ほてりやのぼせの症状も出てくることがあるんです。
特に何もしていないのに体が熱くなるといった症状が出たら使用をやめ、リラックスの時間をとってください。
吐き気と食欲不振
吐き気と食欲不振が起き状態が悪化したら、副作用の疑いがあります。腹痛が起こることもあるので、胃の不調に注意し不快を感じたら使用をやめましょう。
発疹とかゆみ
体に発疹が見られかゆみも感じたら、副作用が起こっている可能性があります。発疹とは皮膚の上にできものができ、水ぶくれや赤みとなって表れる症状です。
かゆみを伴うこともあるため、重症化すれば強いストレスを伴います。
これ以外にも下痢や痔核など人によってさまざまな症状が発生します。少しでも体に異常が起こったら、副作用を疑う癖をつけておきましょう。
乙字湯の使用に注意が必要な人
虚弱状態にある人
乙字湯は体力のある人向けの漢方薬です。虚弱状態にある人は使用をやめてください。特に食欲不振や吐き気の症状がある人は、使用をやめるようにしてください。
持病を持っている人
持病を持っている人が乙字湯を利用すると、持病に影響を及ぼすことがあります。乙字湯は胃に不調を抱えた人には向いていません。
慢性胃炎や神経性胃炎といった胃に関する疾患を持っている人は、特に使用に注意しましょう。
ほかに薬を使用している人
現在使用している薬によっては、漢方薬が悪影響を及ぼすことがあります。医師に処方された薬だけではなく、市販の薬を利用したときにも漢方薬の利用に注意しましょう。
判断が難しいときには医師や薬剤師に相談してください。
妊娠中の人
妊娠中の人が漢方薬を利用すると体を冷やし、体力を使ってしまうことがあります。漢方薬の中には、妊婦への安全性が確立されていないものがあるんです。
どうしても使用したい場合はかかりつけの医師に相談し、使用許可を取るようにしてください。
老人や子供
老人や子供は体力が弱く乙字湯を使用することで、悪影響を及ぼすことがあります。老人や子供への使用に注意し、場合によっては医師や薬剤師に判断してもらってください。
漢方薬の服用にはコツがある
漢方薬は定期的に服用して行く必要があります。でも漢方薬には苦みがあり、服用しにくいという特徴があるんです。ストレスなく乙字湯を服用していくために、毎日気軽に行える工夫を行っていきましょう。
クリームの甘さでごまかす
パンやホットケーキに塗るクリームに乙字湯を混ぜて、漢方薬独特の苦さをごまかすという手があります。クリームにはさまざまな種類があり、飽きることもありません。
そのままパンに塗って食べることもできるので、とても簡単に服用することができます。
薬味として割り切る!
漢方薬の苦さは独特ですが、薬味として割り切るのも手です。苦みはうまく利用すれば味のアクセントとなるので、料理に利用すればおいしく感じることもあります。
なべ物やスープ、煮物におひたしなど、苦みが合うメニューはたくさんあるんです。苦みを生かすことができる料理を、いろいろ試してみるといいでしょう。
ココアやコーヒーに混ぜる
ココアやコーヒーといった、香りや味の濃い飲み物に混ぜるのもいいです。漢方薬は苦みだけではなく、その風味も苦手な人が多くいます。
本来ならその風味も漢方薬の効能を引き立てるんですが、どうしても受け付けないことがありますよね。味や香りでうまくごまかしてみましょう。
メープルシロップ活用する
ホットケーキやアイスクリームに使用することが多いメープルシロップには、適度な粘性があります。甘みもあるので程よく苦みを包み、食べやすくしてくれるんです。
アイスクリームとメープルシロップを、合わせてみるのもいいでしょう。甘い食品でうまく苦みをごまかし、口当たりよく食べていってください。
乙字湯に頼り切ってはだめ!
乙字湯は効果的な漢方薬ですがこればかりに頼り切ると体が弱り、根本的な解決にならないときがあります。便通の悩みを解消するためには、普段の生活習慣を整えましょう。
適度な運動
便通よくしていくためには適度な運動を行い、筋肉を鍛えることが大切です。筋肉が鍛えられれば便を押し出しやすくなり、便秘を予防します。無理がないレベルで、15~20回ほど繰り返してください。
食生活の改善
便秘を予防し便通をよくしていくためには、食物繊維をバランスよく食べるようにしてください。
実は一言に食物繊維といっても2種類存在します。
・ 不溶性食物繊維
野菜や海藻類に多く含まれ腸のぜん動運動を促し、便のかさましを行います。
・ 水溶性食物繊維
キノコ類や果物類に多く含まれ腸の中でゼリーのようになり、便をやわらかくし排出しやすくしてくれます。
どちらも便通をよくしてくために必要な食物繊維なので、バランスよく摂取するようにしてください。サラダに混ぜてもいいですし、煮物にして一度で食べてしまうというのも手でしょう。
睡眠時間の確保
睡眠時間が短くなると自律神経が阻害され、胃腸の環境にも影響します。人によって違ってきますが、朝すっきりと起きられる程度には睡眠時間を確保しましょう。
眠りが浅く睡眠障害を抱えている人には、グリシンやトリプトファンといった安眠に効果的な成分を取ることをおすすめします。サプリメントで取るのもいいですが、乳製品からでも気軽に摂取することができます。
ミルクやチーズなど、食べやすい食品を確保しておくといいでしょう。グリシン対策には豆乳が摂取しやすいです。
豆乳には女性ホルモンと同じ働きをする大豆イソフラボンが含まれているので、女性ホルモンのバランスを取るうえでも役立ちますよ。
乙字湯を活用し便通をよくしていこう
乙字湯には特に女性が困りがちな、便通を助けてくれる効果があります。便秘の状態が続くと大きな疾患へとつながっていくことがあるので、決して油断ができません。
乙字湯をうまく食生活に取り入れ、すっきりとした毎日を送るようにしましょう。