葛根湯の効果効能とは?効果的な飲み方や副作用とあわせて解説
葛根湯(カッコントウ)は、漢方の中でもメジャーな風邪薬として知られていて、発熱・寒気・頭痛などの症状で悩んでいる方におすすめの漢方薬です。
ここでは、そんな葛根湯の効果的な服用方法や、副作用について紹介。
葛根湯に類似している漢方薬についても掲載しているので参考にしてください。
葛根湯の効果効能とは?
葛根湯(カッコントウ)は、漢方の風邪薬として風邪のひき始めに、昔から深く親しまれる漢方薬です。
主に、体力がある方に向いている薬で、初期症状に見られる頭痛・発熱・首後ろのこわばり、汗を伴わない寒気などに効果を期待することができます。
発病後1~2日に使用するのがベストで、鼻炎・頭痛・炎症など熱を伴うような他病気に対しても有効的に実用できるのもこの漢方薬の特長です。
具体的に効果を期待できる症状には下記が挙げられます。
発熱
寒気
鼻かぜ
鼻炎
頭痛
肩こり
筋肉痛
手や肩の痛み
葛根湯に副作用はある?
人によっては服用後に副作用の可能性がある症状があらわれることがあります。
その場合は、直ちに服用を中止して医師または薬剤師などに相談してください。
部位ごとにあらわれる症状は下記のとおりです。
皮膚・・・発疹・発赤、かゆみ
消化器・・・吐き気、食欲不振、胃部不快感
稀に下記のような重度な症状が見られる事例もあります。
偽アルドステロン症、ミオパチー・・・手足のだるさ・しびれ、脱力感、筋肉痛など
肝機能障害・・・発熱、発疹、かゆみ、黄疸、褐色尿、食欲不振など
葛根湯の効果的な飲み方
漢方薬を飲む際には、ただ飲めばよいという訳でもありません。
適切なタイミングに飲むことによってよりその効果を実感することができます。
葛根湯の場合は、風邪のひき始めに飲むことで効果を発揮できるでしょう。
それでも葛根湯が効いている実感が湧かないなら、他の漢方薬が適していることもあるので、適材適所で上手に漢方薬を使い分けてみてください。
葛根湯は毎日飲んでも大丈夫?
葛根湯を1日1回飲んでも問題ないので大丈夫ですが、あまりに効果を期待できない場合は1度医師または薬剤師などに相談することも視野に入れた方がいいです。
具体的には、感冒・鼻かぜ・頭痛を目的に服用するなら数日程度、肩こり・筋肉痛・手や肩の痛みを目的に服用するなら1ヶ月程度を目安とした方がいいでしょう。
この期間に改善が見られないようなら使用を中止して専門医に相談してみてください。
葛根湯に含まれている成分(生薬)
風邪の諸症状に効果的な葛根湯には、7つの生薬が配合されています。
- 葛根(カッコン)
- 麻黄(マオウ)
- 桂皮(ケイヒ)
- 芍薬(シャクヤク)
- 甘草(カンゾウ)
- 大棗(タイソウ)
- 生姜(ショウキョウ)
ひとつひとつどのような効果があるのが見てみましょう。
葛根(カッコン)
葛根は、マメ科のクズの肥大根を乾燥したもの。
主に、解肌、透疹、潤筋、止渇、止瀉などの効能があり、頭痛や肩こりなどの風邪の初期症状、筋肉の緊張、口の渇き、下痢などに用いられます。
葛根湯にはこの葛根が多く含まれています。
麻黄(マオウ)
麻黄は、マオウ科のマオウなどの地上茎を乾燥したもの。
主に、発汗、鎮咳、利水の効能があり、発熱、頭痛、咳嗽(せき)、喘息などに用いられます。
この麻黄には、ドーピング検査の規制物質に指定されているエフェドリンという成分が含まれているので、大会などにでるときは注意が必要です。
桂皮(ケイヒ)
桂皮は、クスノキ科のケイの樹皮を乾燥したもの。
漢方的には、補陽、発汗、解肌、止痛などの効能があり、手足の冷え、腹痛、下痢、のぼせなどに用いられます。
芍薬(シャクヤク)
芍薬は、ボタン科シャクヤクの根を乾燥したもの。
高さは約60cmで、紅や白色などのボタンに似た花が咲く特徴があります。
主な効能は、鎮痛・鎮痙、収斂、緩和作用などに効果があります。
他にも、慢性胃腸炎、生理不順、月経異常、冷え症、貧血症、血の道症、産前産後の諸病、婦人の更年期障害、急激に起こる筋肉の痙攣を伴う疼痛、神経痛の症状にも効果的です。
甘草(カンゾウ)
甘草は、マメ科カンゾウ属植物の根や根茎を乾燥したもの。
高さ40~70cmの多年草で、生薬としては、マメ科カンゾウ属植物の根や根茎を乾燥したものを用います。
主な効能は、鎮痛、鎮痙、解毒、鎮咳などに効果があります。
他にも、咽喉痛、胃痙攣、胃潰瘍、胃痛、十二指腸潰瘍、疼痛などの症状にも効果的です。
大棗(タイソウ)
大棗は、クロウメモドキ科ナツメの果実を乾燥したもの。
高さ10mほどの落葉小高木で、特に黄土の乾燥地帯に生育しています。
主な効能は、強壮、利尿、矯味などに効果があります。
他にも、腹部膨満感、消化不良を伴う胃腸疾患、感昌による下痢、発熱と悪寒が交互にあるような症状にも効果的です。
生姜(ショウキョウ)
生姜は、ショウガ科ショウガの根茎のこと。
生薬としては、ショウガ科ショウガの根茎を用います。
主な効能は、芳香辛味性健胃、食欲増進、発汗などに効果があります。
他にも、胃内停水、座骨神経痛、腰痛、夜尿症、尿量が多い、四肢の冷痛、風邪、妊娠中のむくみなどの症状にも効果的です。
葛根湯に似た漢方薬
同じ葛根湯という名前がつく漢方薬でも、桂枝(ケイシ)という頭痛、寒気、発熱(主に微熱)、のぼせ、軽いうなじのこわばりや体の痛みなどの症状に効果的な生薬が名前の頭についた
桂枝加葛根湯(ケイシカカッコントウ)という漢方薬や、升麻葛根湯(ショウマカッコントウ)、葛根湯加川芎辛夷(カッコントウカセンキュウシンイ)などもあります。
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葛根湯加川芎辛夷(カッコントウカセンキュウシンイ)ってどんな漢方薬?その効能と副作用
こちらに詳しく書いてあるので、細かい症状に合わせてうまく服用するよいいでしょう。
症状や体調によって最適な漢方薬がありますので、どの漢方薬を服用すればいいか分からない方は、医師や薬剤師に相談しましょう。
風邪の対策はひき初めに
葛根湯は「風邪かな?」と思ったらすぐに飲むことが大切です。
いつでも飲めるようにお家に常備してあると便利です。
出典 : 一般用医薬品 > 葛根湯