大建中湯の効果効能や副作用について解説
大建中湯(ダイケンチュウトウ)は、腹痛などでお腹をこわしやすく、お腹があまり温かい状態ではない方におすすめできる漢方薬です。
ここでは、そんな大建中湯の効果・効能、副作用について紹介。
大建中湯の正しい飲み方や、飲み忘れ時の方法・対策についても掲載しています。
大建中湯の効果・効能と特徴
大建中湯(ダイケンチュウトウ)とは、体の中心部である胃腸を大きく健立して丈夫にするという意味合いが込められた体や胃腸に効果的な生薬を含有した漢方薬です。
お腹の冷えに伴う腹痛や膨満感を温めて改善する効果を期待できる漢方薬であり、あまり体力に自信がない方やお腹をこわしやすい方などに向いています。
病院では、大腸がんなど術後の腸閉塞の予防対策として服用されることが多く、服用することで入院期間が平均3.5日短縮したという報告もあります。
大建中湯は便秘に効く?
まず勘違いしてほしくないのは大建中湯はお腹をくだしやすい方の体や胃腸を丈夫にすることが目的であって、便秘解消のための漢方薬ではないということ。
ただ、大建中湯が便秘に効果がないかと言えばそうでもありません。
便秘と一言に言っても弛緩性や痙攣性などいくつか種類があるんです。
その中でも大建中湯は痙攣性に対して効果的、一方で大黄が含有された桃核承気湯や大承気湯には弛緩性が効果を期待することができます。
そもそも大建中湯が対応した便秘は数が多くなく、適応していない便秘に対して無理矢理に大建中湯で改善しようとするとかえって便秘になる可能性があります。
なので、大建中湯を便秘目的に使用するとしても本当に効果を期待できる便秘なのか、事前に下調べした上で正しい使用を心がけてください。
大建中湯の副作用
人によっては副作用の可能性がある症状があらわれることがあります。
その場合は、直ちに使用を中止して医師や薬剤師に相談するなどしてください。
大建中湯で起こる可能性がある症状は下記のとおりです。
症状 | 副作用として疑われる病気 |
---|---|
階段を上がるだけですぐに息が切れる 息苦しくなる 空咳が止まらない |
間質性肺炎 |
黄疸 全身のだるさ おしっこが褐色になる 食欲が低下する |
肝臓病 |
大建中湯の飲み方
大建中湯は、食前、もしくは食間(食後2〜3時間後のこと)に服用します。
一般的に薬といえば食後に飲むイメージですから、間違えないように気をつけてください。
大人で1日6包(1日量15.0[g])と比較的たくさん飲む必要がありますので、服用途中で喉につかえないように注意してください。
服用するときは、水か白湯で飲むようにしましょう。
年齢 | 1日量 |
---|---|
大人(15歳以上) | 1回2包×3回/日 |
7歳以上15歳未満 | 1回1包+1/3包×3回/日 |
4歳以上7歳未満 | 1回1包×3回/日 |
2歳以上4歳未満 | 1回2/3包×3回/日 |
2歳未満 | 1回1/2包×3回/日 |
大建中湯の使用上の注意点
大建中湯を服用する上で、いくつか守らなければならない注意点があります。
効果的に、そして副作用を起こしにくくするために、必ず守ってください。
飲み忘れた場合
大建中湯は、1日3回服用する漢方薬ですが、中には忘れてしまうこともあるでしょう。
そんな時は、気付いた時にすぐに飲んでいただければ大丈夫です。
ですが、次に飲むタイミングが2時間以内に迫っている時は飲まず、次の時間に飲むようにしてください。
なお、飲むのを忘れからといって、2回分を1度に飲むのはダメですので、注意してください。
大建中湯を服用する前に相談したほうがいい場合
以下に記載した項目に当てはまるような場合は、使用する前に医師や薬剤師と相談するようにしましょう。
- 大建中湯を含む何らかの薬を使って、以前にかゆみやじんましんなどのアレルギー症状が現れたことがある人
- 妊娠中、もしくは授乳中の人
- 現在、病気の治療で医師から処方された薬を使っている人
- 肝臓病の治療を受けている人、もしくは受けていた人
- 65歳以上の高齢者
- 1歳未満の乳児は、大建中湯を用いるよりも、医師の診察を受けることを優先しましょう。
大建中湯を服用してはいけない人
3ヶ月未満の乳児には飲ませてはいけません。
大建中湯の生薬
大建中湯は、『山椒(サンショウ)』『乾姜(カンキョウ)』『人参(ニンジン)』『膠飴(コウイ)』の4種類の生薬で作られています。
山椒(サンショウ) | 0.27[g] |
---|---|
乾姜(カンキョウ) | 0.67[g] |
人参(ニンジン) | 0.4[g] |
膠飴(コウイ) | 2.67[g] |
『山椒(サンショウ)』『乾姜(カンキョウ)』は、蠕動運動というお腹の働きを良くする効果があり、お腹の冷えや痛みをやわらげます。
『人参(ニンジン)』には、滋養強壮作用があり、体質を強くします。
『膠飴(コウイ)』は、胃腸の働きを整えたり、栄養を補給したりします。
このほか、ステアリン酸マグネシウムや乳糖水和物が添加物として配合されています。
大建中湯についてまとめ
いかがでしたか?
今回は、大建中湯の効果効能・副作用について紹介してきました。
大建中湯は、お腹の冷え性やそれに伴う腹痛、お腹の張りに効果のある漢方薬です。
もし、虚弱体質の方のうち、このような症状に悩んでいる方は、大建中湯をお試しになってみてはいかがでしょうか。