潤腸湯はダイエット効果があるのか!?潤腸湯の効果や生薬を確認
潤腸湯という漢方は聞いたことがありますか?
市販でも手に入れることが出来る便秘のための漢方薬です。コロコロした便の人にむいています。
今回は、便秘薬をダイエットに使う人がいますが、潤腸湯はダイエットに効果があるのかを解説したいと思います。
潤腸湯はダイエットに効果あり?
潤腸湯にはダイエット効果があるというのは聞いたことがありますか?
潤腸湯は「便秘」を改善する効果があります。
便秘によるポッコリお腹が出ている人の場合には便が排泄されると下腹がすっきり平にみえます。そういった意味では、潤腸湯を飲むことですっきりと便が出てそれによりダイエットにつながるように感じます。
しかし、あくまでも便秘を解消する効果があるというだけで、本来のダイエット効果はありません。
漢方で「便秘」の原因とは?
漢方での便秘の原因は、体の気・水・血の乱れで起こると考えられています。
- ストレスや緊張により「気」が乱れる
- 水の不足
- 血の異常お血の発生
これらがあげられます。
漢方薬は体質改善をしながら便秘を改善していくので、体質によって便秘薬の漢方薬の種類も変わっていきます。
漢方薬を処方してもらうときには、便秘以外の体の状態も重要になります。女性ならば月経の状態、肩こり、日常生活などの問診を行い、その人にあった便秘に効果のある漢方が処方されます。
便秘のときに使われる潤腸湯以外の漢方薬を紹介します。
・大黄甘草湯
便秘といったら良く処方される漢方です。便秘による腹部膨満感に効果的です。
・麻子仁丸
体力が中程度で便が硬く、塊になっていて膨満感がある方に適しています。
・桂枝加芍薬大黄湯
体力が中程度で、腹痛がある場合の便秘や、しぶり腹に効果があります。
・大柴胡湯
体力が充実していて、わき腹からみぞおちにあたりにかけて苦しい、常習便秘や高血圧に伴う肩こりなどに効果があります。
・桃核承気湯
体力が中程度でのぼせて便秘がちな方、とくに痔を患っている方に効果を発揮します。
・柴胡加竜骨牡蛎湯
体力が中程度以上かつ精神不安(イライラや不眠)などの症状がある方の便秘に効果を発揮したり、神経症に効果があります。
潤腸湯の特徴とは?
潤腸湯は文字の通り、腸を潤す効果で便通を通りやすくする漢方です。
効果は穏やかで、便を柔らかくすることを目的として排便を促進します。
潤腸湯は体力が中程度または虚弱な方に処方され、
- 水分量が減って便が硬くなっている
- ウサギのようなコロコロした硬い便が出る
- 腹壁のしたに便の塊が触れる
このような便秘に効果を発揮します。
さらに、肌が乾燥している人や高齢者の弛緩性または痙攣性の便秘(※)に効果を発揮します。
(※)弛緩性便秘や痙攣性便秘は、便秘のタイプで、弛緩性便秘は運動不足や食物繊維不足により、大腸全体の動きが低下して、水分量が減り硬い便が出る便秘のことを言います。
一方で痙攣性便秘はストレスが原因で、腸が痙攣を伴う運動を行い排便がスムーズに行われなくなる便秘です。
コロコロとしたウサギのような便が特徴です。
潤腸湯に配合されている生薬をチェック
潤腸湯には10種類の生薬がバランスよく配合されています。
ここではその生薬について見ていきます。
①地黄(じおう)
ゴマノハグサ科アカヤジオウの根を乾燥させたもので、血を補なって腎の働きを促進させる効果があります。
②当帰(とうき)
セリ科トウキの根を湯通しして乾燥させたもので、血を補って巡りをよくする効果があります。
血行促進作用に優れています。
③黄ごん(おうごん)
シソ科のコガネバナの根の周りを除いて乾燥させたもので、熱を冷まして、体内の水が停滞しているのを解消する作用があります。
④枳実(きじつ)
ミカン科ダイダイの未熟果実を乾燥させたもので、咳を鎮めたり、イライラを抑え精神を安定させる効果があります。
⑤杏仁(きょうにん)
バラ科杏の種子で、胸のあたりの水の滞りを改善して、息切れ、咳、痰切を改善する効果があります。
⑥厚朴(こくぼく)
モクレン科ホオノキの樹皮を乾燥させたもので、気を整えて緊張や痛みを和らげる効果があります。
⑦大黄(だいおう)
タデ科ダイオウの根茎を乾燥させたもので、熱を冷ます作用に優れています。
⑧桃仁(とうにん)
バラ科モモの成熟した種子を乾燥させたもので、血液が固まるのを抑制する効果があります。
⑨麻子仁(ましにん)
アサ科アサの果実を蒸したものを使用していて、水分の流れをよくする効果があります。
さらに腫れを抑える効果もあります。
⑩甘草(かんぞう)
マメ科の甘草の根や根茎を乾燥させたもので、緊張を緩める働きがあります。甘草は多くの漢方に配合されている生薬です。
潤腸湯を服用するときの注意点は?
①副作用に注意する
漢方は副作用は少ないと言われていますが、全くないわけではありません。
特に重篤な副作用として、尿量が減少したり、手足がむくむ偽アルドステロン症やそれに伴い体がだるいなどミオパチーが報告されています。
また発熱から咳、息切れ、呼吸困難などの間質性肺炎もあげられますが、これらが起こるのは本当に稀なので過度に心配する必要はありません。
その他にも食欲不振や胃の不快感、嘔吐、腹痛、下痢もあるので、服用を始めてこれらの症状を感じたら服用を中止して医療機関を受診しましょう。
②妊娠・授乳中は服用しない
妊娠授乳中に潤腸湯を服用はしないほうがいいでしょう。
特に大黄には、子宮を収縮作用があり流産や早産の原因になります。
また生薬が母乳に移行して赤ちゃんが下痢になる可能性があります。
妊娠授乳中は体が敏感になっている時期でもあるので、服用はしないほうが良いでしょう。
③飲み合わせに気を付ける
生薬によっては、いろいろなものに含まれいるもの、相性が悪いものがあります。
服用している薬をしっかり伝え、過剰摂取にならないようにしましょう。
まとめ
今回は潤腸湯はダイエット効果があるのかという点について見てきました。
本来のダイエット効果はありませんが、便秘によってお腹が出ている方はその分凹むことが考えられます。。