夏は気温が高くなり、体も影響を受けて熱がこもりがちです。
そんな時は、アイスや冷たい飲み物に手が伸びてしまいますが、食べすぎると胃腸が冷えて、体調を崩すこともあります。
そこで、中医学で考える「食養生」として、体の熱を冷まし、体調をととのえる効果もある食材とレシピをご紹介します。
夏におすすめの食材
中医学では、治療や体質改善を目的とする場合、個別の体質や環境などを考慮して、その人に合う生薬や食材で、中心となったり支える役割を組み立てます。
ですが、食材として毎日気軽に取り入れられるものも多くあります。ここでは、「普段使いの薬膳料理」に取り入れたい食材について、みていきましょう。
中医学でみる「夏」
中医学では、夏は立夏から立秋までの3か月を指します。
この時期は、気温が高くなる「昼」が最も長く、湿度もあって過酷です。
汗をかきやすくなる中、さらなる暑さで食欲がなくなり、夏バテしやすくなります。
そんな時には、熱を覚ましつつ滋養があり、食欲がわくような薬膳料理がぴったりです。
そこで、体の熱を冷ます「清熱」の働きがある食材を紹介します。
「清熱」の働きがある食材のご紹介
穀物類では、はと麦や小麦、また小麦のグルテンが主原料である、お麩も「清熱」の働きがある食材です。
野菜類と果物の中で、夏が旬で「清熱」の食材については、以下のものがあります。
- 冬瓜、ゴーヤー、ヘチマやきゅうり、といった瓜の仲間
- なす、トマト、レタス、緑豆もやし、ごぼう
- スイカ、パイナップル、メロン、パパイヤ、レモン、メロン、キウイフルーツ
旬の時期は4月から6月ですが、もずくにも「清熱」の働きがありますので、積極的に取り入れたい食材の一つです。
果物類もたくさんありますので、アイスクリームを食べるよりも、果物を冷やして美味しくいただく方がニキビにも良いですね。
「清熱」の働きがある食材の中でも、夏の野菜として代表といえば「ゴーヤー」です。
ここでは、黒酢を使って食欲を増す、夏バテ知らずのレシピを紹介します。
【ゴーヤーと砂肝の黒酢炒め】
材料
- ゴーヤー 1本
- 砂肝 100g
- にんじん 1本
- プチトマト 8個
- しいたけ 3本
- 油 大さじ2
【スープ】
- 鶏だし 60ml
- 塩 ひとつまみ
または
- 顆粒チキンスープ 大さじ1
- 水 60ml
【黒酢あん】
- 黒酢 大さじ1
- 砂糖 大さじ1
- 料理酒 小さじ2
- しょうゆ 大さじ1/2
- 片栗粉 小さじ1
作り方
材料の下ごしらえ
- ゴーヤーはわたを除いて一口大に切り、しいたけは4頭分、にんじんは5mmぐらいの半月切りにします。
- プチトマトは半分にするか、小さければ少し切り込みを入れてそのまま使います。
砂肝の下ごしらえ
- 砂肝はスジや皮は切り落とさず、なるべく薄くスライスします。
- 黒酢あんの材料とスープは、それぞれ別の容器で合わせ、それぞれよく混ぜておきます。
材料を炒める
- フライパンに油をひいて中火にかけ、煙が出る直前ぐらいまで熱します。
- 砂肝を入れて炒め、色が変わったらほかの材料を入れます。
- 3分ほど炒めたら、スープを加えて全体になじませてもう2分加熱し、火を止めます。
- 黒酢あんを回し入れて全体を手早く混ぜ、再び中火で加熱して、とろみが付いてきたら出来上がりです。
夏の食養生まとめ
ここでご紹介したレシピ以外にも、ゴーヤーは油との相性も良く、ビタミンCも壊れにくいので、天ぷらにもぴったりです。
きゅうりやトマトなど、加熱をしなくても調理できる野菜もたくさんあります。
体の熱を冷ます旬の野菜で、夏に負けない体をつくる「食養生」をぜひ、取り入れてみてください。