まだまだ暑さが残る時期、「食欲がわかない、何も口にしたくない」と感じた経験はありませんか?
そんな食欲不振の状態が続くと、必要な栄養がとれなくて元気に過ごせない、といった悪循環になってしまいます。
ここでは、食欲がないときにこそ取り入れたい、おすすめの食材を紹介します。
食欲がないとき、中医学ではどうみる?
食欲不振とは、食べていないのに食欲が出ない状態のことです。
しばらく空腹が続くと、胃が収縮したり脳が指令を出したりするなど、体の生理作用によって食欲がわくのが通常の状態です。
食欲がない理由はさまざまなものが考えられますので、どのようなものがあるか、みていきましょう。
食欲不振について
中医学では食欲不振の時、主に胃腸などの内臓にあたる「脾(ひ)」の機能が落ちている、と考えます。
脾がうまく働かなければ、生命活動に必要な「気血津液(きけつしんえき)」は体を巡ることができません。
そのような状態が長引けば、病的な症状が現れることもありますので、「未病」の段階で改善することが必要です。
生活の延長
暑さが残る時期には、体の体温調整や水分調節がうまくいかず、消化機能が低下することもあります。
また、運動不足や睡眠不足によって不規則な生活を送っていたり、精神や身体へのストレスが続くといったことでも、食欲不振に陥ることがあります。
なるべく規則正しい生活を心がけて、ストレスフリーな生活をしたいですね。
病気が隠れていることも
生活習慣やストレスなどの影響がない場合でも、何らかの病気が隠れていると、食欲が低下する場合があります。
消化器官の疾患や炎症、ほかには代謝異常や精神的な疾患からの影響で食欲がなくなってくることもあるのです。
代表的なものとしては、急性胃炎や慢性胃炎、甲状腺機能低下症、うつ病などがあります。
食欲不振の状態が長く続くようなら、早めに医療機関を受診しましょう。
おすすめの食材
食欲がない時、少しでも食べることができれば、栄養をとりこんで体力回復に繋がります。
ここでは、中医学でみる、それぞれの働きとおすすめの食材をみていきましょう。
健脾の働きのある食材
健脾とは、まさに「脾」に良い、消化吸収を促進する働きのことです。
手に入りやすく、身近な食材がたくさんあります。
- うるち米や大麦、きび、玄米、米麹、はと麦といった穀類
- さつまいも、じゃがいも、山芋、タピオカなどの芋類
- インゲン豆、黒豆、大豆、ひよこ豆
- アーモンド、栗、ピーナッツ
- オクラ、カリフラワー、小松菜、生姜、ちんげん菜、とうもろこしなど
- オレンジ、干し柿、りんご
- イワシ、鯛、ブリ
- ホルモン、砂肝、うずらや鶏の卵
素材を知れば、簡単なレシピでも工夫して取り入れられそうですね。
通便の働きのある食材
お通じが悪いと、腸が胃を圧迫して食欲がなくなることがあります。
そのような時に、まずはお通じの具合を良くする働きのある食材を取り入れてみましょう。
- オーツ麦
- はちみつ
- アーモンド、黒ゴマ、白ゴマ、松の実、ピーナッツ
- エノキダケ、オクラ、小松菜、ごぼう、しめじ、白菜
- アボカド、バナナ
- ヨーグルト
- ごま油、ラード
中医学の目線でなくとも、食物繊維が豊富なことで知られる食材が多く、なじみのあるものばかりです。
しかし、食物繊維に偏っていると、便が硬くなってしまって余計にお通じが悪くなることもあります。
食事全体のバランスに気をつけることはもちろんですが、便秘の時には、水分や油分も控えすぎないようにしましょう。
オーツ麦は、グラノーラやシリアル、コーンフレーク、オートミールといった製品として知られています。
朝食に、バナナとシリアル、ヨーグルトにはちみつをかけて頂くというのは、お腹に良い組み合わせですね。
補気の働きのある食材
補気とは、体の生理的な機能を促進して体力を増強する働きのことです。
気力がない時や疲れやすい時に効果があります。
- うるち米、玄米
- さつまいも、じゃがいも、山芋、タピオカ
- 大豆
- カカオ
- アスパラガス、かぼちゃ、とうもろこし
- しいたけ、まいたけ
- アボカド、パイナップル、桃
- イワシ、うなぎ、エビ、かつお、サーモン、さば、タコ、ブリ、マグロ
- 鶏肉、豚肉、牛肉
- 甘酒
甘酒は「飲む点滴」とも言われたりするほど、栄養豊富なことでも知られています。
コンパクトなサイズの商品がたくさん売っているので、試しやすいですね。
まとめ
ここで紹介した食材は、どれも、なじみのあるものばかりだったのではないでしょうか。
食材の働きを知っていれば、食欲不振の時だけでなくとも、献立を考える時に役立ちそうですね。
色々組み合わせて、日々のレシピに取り入れてみてはいかがでしょうか。