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自律神経失調症には漢方~漢方相談薬局便り~

春の不調の原因って…?

めまい、息切れ、動悸、頭痛、頭が重い、肩こり、しびれ、痛み、眠れない、冷え、顔のほてり、下痢、便秘…
このような症状が春に悪化する方も多いのではないでしょうか。
様々な症状に悩まされ、検査しても特に異常が見つからない場合、
自律神経失調症と診断されることがあります。
いわゆる5月病も自律神経失調症の一種であることが多いです。

自律神経の働き

自律神経はその名の通り、自律的に動く神経で、私たちの意思と関係なく、24時間365日常に働いており、体温、血圧、呼吸、などあらゆるところで、全身をコントロールしています。
交感神経は、興奮時や緊張時に働き、副交感神経は休息やリラックスしている時に優位になるため、よくアクセルとブレーキにたとえられます。
健康な身体では、自律神経が外部からのストレスや環境の変化にも対応し、身体の機能を調節してくれますが、バランスが崩れると様々な体調不良に悩まされることになります。
しかし、西洋医学が発展した現代でも、自律神経のバランスを正常化するのは難しいようです。
「こんなにつらいのに、どこも悪くないと言われ、どうしてよいか分からない…!」
こんな時は、バランスを整えることを得意とする漢方薬の出番です。

東洋医学的に考えると…?

自律神経失調症を、東洋医学的に考えると、自律神経を司る「肝」の「気」の巡りが乱れていることが考えられます。
西洋医学にない概念である「気」を生きるために不可欠なものと考え、バランスや流れを整えるように働くのが、漢方薬です。
どのようにバランスを崩しているかは、それぞれ異なりますので、適した漢方薬も異なります。
倦怠感や息切れなどがある方は、「気血」が少なかったり消耗していることが考えられます。
肩こり、しびれ、痛みが強ければ、「気」の滞りが考えられます。
さらに「気」が熱を帯び、上昇することで、のぼせ、不眠、イライラが出ることもあります。

「気」は漢方で整えることができます。
自律神経だから、体質だから、更年期だから、生理前だから…と諦めないで、ご自身の心と身体の声に耳を澄ましてみてはいかがでしょうか。
きっと、今より自分らしく生き生きと過ごせるようになると思います。どうぞ、漢方カウンセリングをお役立てください。
もちろん、ストレスの緩和、食事、睡眠、運動、環境などの日々の養生は、何より大切ですので、できるところからやっていきましょう。

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記事執筆・監修

国際中医師(国際中医専門員) 漢方薬・生薬認定薬剤師 

植野典子

<セラピア薬局薬剤師>
セラピア薬局は東京、池袋にある漢方相談、保険調剤を行う薬局です。自然の生薬を扱い、セラピアの名前のように、癒しになれるように関わりたいと思っています。

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