オートファジーのすすめ 16時間断食をするメリット
オートファジーってなに?
皆さん、オートファジーという言葉を聞いたことはありますか?
細胞内の現象の名前なんですが、難しそうな名前に抵抗を感じるかもしれませんね。
オートファジーについて一言でいうと、「細胞内のお掃除&リサイクル係」のようなものだと思ってください。
詳しく説明すると、以下の一連の流れがオートファジーです。
細胞内のダメになったタンパク質や不良ミトコンドリアだけでなく、細胞内に侵入した病原性細菌までを、パクッと飲み込み分解してくれます。
また、栄養状態が悪くなった際には、過剰なタンパク質を分解して、生存に必要なタンパク質へとリサイクルしてくれます。
まさに、「細胞内のお掃除&リサイクル係」ですね!
オートファジーを活性化させると良いことがある?
オートファジーは先ほど説明したように、細胞内の不要なものをパクッと飲み込んで分解したり、さらにはリサイクルを行ったりと、便利屋のような働きをしてくれます。
では、このオートファジーを活性化させると良いことがあるのか?
その答えを、大阪大学 生命機能研究科 研究科長で細胞生物学者である吉森保先生が著書『LIFE Science』の中で記されています。
簡単にまとめると、オートファジーは細胞の生まれ変わりを促してくれます。
細胞が生まれ変わることで、体にとって不要なものや老廃物が一掃され、細胞や組織などの機能が活性化し、病気になりにくく若々しい体になるのです。
つまり、オートファジーを活性化させることが、「アンチエイジング」や「美白」に効果的ということになります。
吉森先生は『LIFE Science』の中で、オートファジーは老化を止めて若返る鍵だと記されました。
「人間は老化する必要はない、若いままで生きていくことが可能な時代がもうそこまで近づいている」のだそうです。
オートファジーのスイッチを入れるには?
ところで、オートファジーのスイッチを入れるにはどうしたら良いのでしょうか?
実は、オートファジーは食べ物によって得られた栄養が十分にある状態ではあまり働きません。
本来、オートファジーとは私たちの体が強いストレスを受けた際にも耐えることができるようにと、体内に組み込まれた防御システムなのです。
そのため、細胞が飢餓状態や低酸素状態などピンチに陥ったときにこそ、オートファジーの働きが活性化します。
では、具体的にどうしたら良いのか?が最新の研究でいろいろわかってきました。
・有酸素運動(ウォーキング、ジョギングなど)
・高脂肪食や過食を避けた適度な食事(和食中心がオススメ)
・食事と食事の間を空けて、空腹時間を設けること
・適度な睡眠を含む規則正しい生活
最近流行りの「プチ断食」は、実はオートファジーを活性化させる効果があったのです!
研究によると、16時間の「空腹時間」がオートファジーを活性化させ、細胞の生まれ変わりを促すことがわかっています。
最近流行りの16時間断食ってなに?
普段、オートファジーは私たちの体の中でゆるやかに働いてくれていますが、活性化させる簡単な方法は体を飢餓状態にすることです。
その飢餓の目安は最後にものを食べてから16時間ほどだといわれています。
「16時間も何も食べないのは長過ぎる!」と思われるかもしれません。
しかし、睡眠時間とうまく組み合わせることで案外楽にできてしまいます。
たとえば、「1日に8時間は眠る」という方であれば、睡眠時間の前後に合計して8時間の空腹時間を設けることで、16時間のプチ断食になるのです。
これだけでオートファジーは活性化し、細胞の生まれ変わりを促すことになり、さまざまな効果が期待できます。